オトミセで考える情報設計とLX (リスナー体験) 問題提起編

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私事ですが、5月3日~5日の間さいたまスーパーアリーナで開催されたVIVA LA ROCKに行ってきました。
今回ライブ以外で気になっていたのは「オトミセ」。アマチュアミュージシャンをはじめ、音楽に関する様々な活動をされている方々が音源を配ったり、活動をアピールする某マーケットのような場所です。

今年で2年目となるVIVA LA ROCKですが、オトミセ自体は運営側の導線改善や出展者の皆さまの努力の甲斐もあり、去年より賑わっていたと思います。

無料配布したCDの役割

VIVA LA ROCK終了後、オトミセに関していくつかのツイートが目に留まりました。
それは、オトミセの出展者のアプローチに疑問を呈したもの。

発端はレジ―さん(@regista13)のこの一連のツイート

このツイートに呼応するようにSpincoaster野島さん(@BokuNojiman)からも。

簡潔に言うと、当日その場の展開だけで満足しているのではないか、その後の流れまで考えた上でのコミュニケーションなのか、という疑問でしょう。

今回は音楽の届け方と音楽にまつわる情報の届け方について、UXの観点から書いてみたいと思います。
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Ameba Owndはアーティストサイトの救世主になれるのか!?

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3月18日にリリースされたデキタテホヤホヤのオウンドメディア生成サービス Ameba Ownd
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今回はサービスの紹介と使ってみた感想、今後期待するところについて考えてみたいと思います。

Ameba Owndとは

Ameba OwndはWeb制作専門知識なしでも1.デザイン選択 2.サイト編集 3.公開 という3ステップで簡単にオウンドメディア(Webサイト)を作ることができるサービス。
僕も実際に10分足らずで公開に至ることができました。
https://rikukawasaki.amebaownd.com/

簡易的なブログやポートフォリオを作るためのサービスかと思っていましたが、SNSとの連携機能も充実や今後有料コンテンツの配信も予定されていることもあり、多様な用途に対応できるサービスになっているのではないかと思います。

既存サービスとの相違

視覚的に、且つ直感的に要素を配置できたり、編集が簡単だったりと、サービスとしてはWixと近い印象です。
しかしながら、Wixはローディングに時間がかかったり、無料プランだと違和感のある広告があったり(笑)、ドメインもカオスだったりするので、Wixよりは好印象を受けました。

またWixとの一番の違いは、Ameba OwndはAmebaというコミュニティの上に成り立っているところではないでしょうか。
アメーバアカウントでログインできたり、フォローという概念があったりと簡易サイト制作のみのWixと比べるとプラットフォームとしての可能性も大きく秘めていると思います。

ただ現段階ではまだ拡張性は低く、アプリマーケット等を備えているWixの方が様々な機能を追加できる状態にはあります。
Ameba Owndとしてもそこはこれからドンドン機能追加していく、という感じではないでしょうか。

使ってみた感想

使いやすく、シンプルなデザインテンプレートを提供しつつ比較的アレンジの自由があるところは好感を持てます。

しかしながら、まだリリースしたてで精度は低いのかな、という印象も受けました。
バグはありますし、次に行いたい行動に迷うこともしばしば。。。まだまだデジタルに強くない一般ユーザの間で流行するサービスには程遠いと感じました。

実際に使ってみて気づいた点をいくつか…

〇 デザインの自動保存機能が欲しい。
⇒ 何回か編集中に消えました。

〇 投稿画面の「本文を入力」の点滅が目障り。
⇒ 背景が真っ白なのに、薄いグレーで点滅されると違和感しかないです。

〇 投稿画面の背景と入力フォームが真っ白でどこが本文のフォームなのか、どこがタイトルのフォームなのか分からない。
⇒ 投稿画面でユーザがどこに書けばいいか分からないっていうのはちょっと。。。枠をつけるなり、背景色を変えるなりしてほしいです。

〇 投稿画面の投稿ボタンが右上にしかない。
⇒投稿フォームは書きながら上から下に進んでいるので、投稿フォームの下にボタンがあってもいいのでは、と感じました。

オウンドメディアの底上げに期待

さてここからはタイトルでも触れていましたが、【音楽×オウンドメディア】というテーマでブログを書いている僕としても、やはりアーティストサイトとしてのAmeba Owndの可能性に触れておきたいと思います。

僕はアマチュアバンドをよく観に行く関係で彼らのHPを閲覧することが多いのですが、現状アーティストサイトを作る上でよく使われているのがWixとJimdoなのかと思っています。
Wordpress等のCMSを入れているもの、独自ドメインを取得しているものは一定レベル以上のアーティストになると増えてくるのですが、”プロではない”アーティストという括りで見たとき、決して多いとは思えません。

ちゃんと作ろうとするとお金もかかりますし、WixやJimdoに比べて運用が難しいというのが理由にあると思います。
初めのうちはそれでもいいのかもしれませんが、アーティストとして知名度を獲得し、多くの人が(定義は曖昧ですが)閲覧するステージまで来たときに限界にぶつかるでしょう。

具体的には、“機会損失”が増えるリスクに直面するということです。

アーティストにとっての機会損失とは

アーティストのオウンドメディアが引き起こしうる機会損失とはなんなのでしょうか。

分かりやすい例を出すと…
Aさんはあなたのバンドの曲をラジオで聴いて興味を持ち、ライブに行きたいと思っています。

スマホで検索してHPまでたどり着きましたが、HPがスマホ対応しておらずスマホでは見にくいのでライブ情報を見つけるのに苦戦しています。

あ、Twitterでリプライが来た!

離脱!

これが機会損失です。スムーズに情報を提供できていればライブに動員できたというケース。
こんなことあるのか、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、アクセス数が増えてくれば十分起こり得ます。

よくPVがバズる!とかTwitter企画でファンが増える!とかとか、所謂”仕掛け”がデジタルでできる全てだと思われているであろう方を見ることがあります。
“仕掛け”で100人の新規ファンを獲得することも、”仕組み”で100人の新規ファンを逃さないことも結果的には同じです。

“仕掛け”と”仕組み”で言えば、”仕掛け”の方が華やかですし、注力したい気持ちも分かりますし決して悪いことではないですが、高性能の受け皿(仕組み)を持つことで、興味を持ってくれた人にライブに来てもらう、音源を聴いてもらう、ファンになってもらう、というのも同じくらい重要な考え方だと思っています。

Ameba Owndはアーティストサイトの救世主になれるのか!?

少し話が逸れましたが、現在HP含むオウンドメディアに特に注力していないアーティストさんは試してみる価値はあるのではないでしょうか。

サービスリリース時からMISIAさんや絢香さん、ナオト・インティライミさんなどのアーティストをインフルエンサーとして構えているあたりを見ると、少なくともAmeba Owndは”その気”だと思います。

もしやり方が分からない、あんまりデジタルは得意じゃないし自信がない、という方はご連絡いただければ協力させていただきますのでお気軽に!(別に僕はAmebaの回し者じゃありませんので!笑)

レスポンシブデザインのアーティストサイト10選!

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本日はこのブログのテーマでもあるwebサイトに関する話題です。

人々がプライベートのPCやスマホというデジタルデバイスを持っているのが当たり前になったこのご時世、Webサイトはデジタルにおける自分(企業、アーティスト)の分身とも言えます。

アーティストサイトのグラフィックデザインやユーザビリティはブランディングや人気を支える大事な要素となるのです。

そういう風潮がある中で近年よく利用されるのがレスポンシブデザインというデザイン手法です。

レスポンシブデザインとは?

簡単に言うと、スマホやPCなど様々な大きさデバイスでサイトを閲覧したときにその画面サイズに合わせてサイトのデザインを最適化してくれるデザインのことですね。

PCで閲覧されている方は画面幅をだんだん小さくしてみてください。

あるポイント(ブレークポイント)でページ構成がクルっと変わります。このサイトだと、右上にメニューバーが現れ、スマホ仕様に姿を変えます。

レスポンシブデザインがここまで普及するまでは、PCサイトとモバイル(スマホ)サイトが別々に存在していました。今でもデザインの自由性など様々な理由でスマホサイトを別に持っているケースもありますが、昨今はSEOや運用負荷軽減、品質管理などの観点で重宝されています。

レスポンシブアーティストサイト10選

今回はレスポンシブデザインで制作されているイケてるアーティストサイトを紹介したいと思います。※画像はPC版です。

米津玄師

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ネット時代の新進気鋭のアーティストはやはりオウンドメディアにもこだわっているのでしょう。
http://reissuerecords.net/

go!go!vanillas

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今回の記事を書くにあたり、一通りHPを見て回りましたが、所謂若手ロックバンドは少ないように感じました。その中で一昨年のスぺシャ列伝から波に乗っているgo!go!vanillas。
http://gogovanillas.com/

ゲスの極み乙女。

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今飛ぶ鳥を落とす勢いで駆け上がっているゲスの極み乙女。彼らはレスポンシブだろうなぁと思っていたら…やはり。
http://gesuotome.com/

the fin

thefinHP
the finも予想通り。デザインを見る限りスマホファーストで制作されたのかな、と思ったりもします。
http://www.thefin.jp/

パスピエ

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ブランディングのデジタル基盤でもあるオウンドメディア。パスピエは独自のビジュアルを展開し、ここでの世界観も抜け目がありません。
https://passepied.info/

THE NOVEMBERS

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メインビジュアルがとても印象的。そのポイントを活かすデザイン意識はPC、スマホ共に感じられます。
http://the-novembers.com/

Greeeen

greeeenHP
アルバム紹介ページから収録曲全曲の歌詞・映像へのリンクがあるのは驚きでした。
http://greeeen.co.jp/

サザンオールスターズ

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出ました大物!ベテランアーティストがレスポンシブ対応されているのは意外でした!
http://special.sas-fan.net/special/sas2015/

aiko

aikoHP
動画の配置を見ると、スマホファーストなのかな、と感じます。特にスマホでのUIがシンプルで好きです。
http://aiko.com/

N.O.R.K

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N.O.R.K、デジタルに精通していることがサイトから伝わります。メニュー(グロナビ含め)にSound Cloudを入れているアーティストサイトもなかなかないですよね。
http://www.nork.asia/

以上10サイト選んでみました。意外とあっという間に見つかりました。

ピックアップしてみた印象としては、やはり音楽でシューゲイザーやボカロなど、デジタルをイメージさせるようなアーティストはレスポンシブデザインを使用しているところも多かったように感じます。

そして、今回はあえてPC版のみの画像を掲載しています。スマホサイズになるとどうデザインが変わるのか、PCで画面サイズを調整して是非ご自身のお手元でお確かめください。

ブレークポイントでデザインがクルッ!と切り替わるあの感触、癖になるかもしれません。笑

アーティストサイトがただの”掲示板”としてではなく、”マーケティングプラットフォーム”として認知され、注力されるようになる第一歩として、今回ピックアップしたようなレスポンシブデザインが取り入れられているサイトがたくさんあるのはこの上なく嬉しいことですね!

今から聴くべき平成生まれのチバンド(千葉バンド)

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今日は少しデジタルは休憩します。(決してネタがないわけではありません!)

僕は音楽が好きで、よくライブハウスに行くのですが、メジャーなアーティストよりインディーズ、もっといえば全国流通してないようなアマチュアバンドをよく観るんですよ。

ちなみに僕の音楽的な趣味を先に伝えておくと、人間味、色気のあるロック/ポップが好きです。有名どころで言うとTRICERATOPSだったり、奥田民生だったり、サザンオールスターズだったり、NICO Touches the Wallsだったり…

最近CMでも流れている奇妙礼太郎なんて最高ですよ。

まぁ僕の趣味はどうでもいいんですが、最近思うのが、千葉には本当に良いバンドが多い!(唐突)

何を以て”良いバンド”なのかなんて僕の主観でしかないのですが、20歳前後なのに虜になってしまう、色気を持ったバンドが多いのです。
技術的な成熟度は世に出ているバンドと比べれば劣るかもしれませんが、今回は是非皆さんに聴いてほしいバンドをいくつか紹介しようかと思います。

ダグアウトカヌー

つい先週出逢ったバンドなのですが、来月高校を卒業する正真正銘の”高校生バンド”です。

彼らの音楽の根深さや10代とは思えない”いやらしさ”には度胆を抜かれました。ステージ上でのMCやライブパフォーマンスは堂々たるもので、意図しているかどうかは分かりませんが”間”の取り方も彼らが魅力的に見える空間を作っている大きな要素に思います。

これから年齢を重ねる上での多様な経験を楽曲の奥深さに直結させてくれそうで、永く聴いていきたいアーティストですね。

3月8日には卒業式の翌日に”卒業式ライブ”を開催するらしく、予定が合う方は是非。
Twitter : @dugout_canoe

ヘンショクリュウ

兎にも角にもグル―ヴィー。うねりです、うねり。ダンスミュージックをストイックに追い求めた平成生まれの、ときに挑発的な、艶やかな音楽がここにあります。

人間の深層心理に”ダンス本能”のようなものがあるなら、彼らの音楽はそこに潜り込んでくるんです。踊らずにはいられないよ。

亀田誠治氏主催の第二回 亀田杯ベース選手権でファイナルに進出したベースボーカル、ハギハラ”ZINE”ヂーノを始め、3人揃って実力派。
GREAT HUNTING主催のバンドオーディション「BAND ON THE RUN」では最優秀バンドにも輝きました。

これからはここでも審査員を務めた亀田誠治氏を含めた審査員陣のサポートを受け、メジャーデビューに向けた楽曲制作を行うそうで、次回作がとても楽しみです。関連記事

日本のダンスミュージックにヘンショクリュウ革命を起こしてほしい。
Twitter : @h_s_dragon

mock heroic

今回紹介するバンドの中では一番長く聴いているバンドです。

ボーカルの奥田民生好きは口だけでなく、もちろん楽曲にも染みついて、ほどよい懐かしさと色気を醸し出します。20~30年前のアイデンティティを2010年代のロックに昇華させた彼らの楽曲は世代を超えて支持されるべきだと、淡い期待を抱いています。

これまで10代限定ロックフェス「閃光ライオット」3次選考(あと一歩で日比谷野音)、ロッキングオン主催のRO69JACK 14/15入賞(あと一歩でCDJ)と大舞台を逃してきた彼らですが、昨年発売されたシングル「シンデレラ」に続き、この春に新たな音源「m&m」をリリースすることを発表。

この1枚をきっかけに次のステージへさっさと駆け上がってくれると信じています。
Twitter : @mock_info

他にもHalo at 四畳半、オトドケモノ、BOYS END SWING GIRL、ガラクタパレットなどなど挙げればきりがないほど多くの素敵なバンドを千葉県で見てきました。

ELLEGARDENやBUMP OF CHICKEN、NICO Touches the Wallsなど、多くの人気ロックバンドを世に送り出してきた千葉県。

何か秘密があるのでしょうか。笑

テクノロジーが生み出す未来国家とモノづくりとは

未来都市

先日、サザエさんbotの中の人ことナカノヒトヨさん(@Hitoyo_Nakano)がホストを務めるトークイベント「Prophet」に参加してきました。

これは全12回さまざまなフィールドからゲストを招き、「〇〇×未来」というテーマで語り合うイベントで、3回目の今回はTeam Lab Make部 / ニコニコ学会βの高須正和さん(@tks)をゲストとし、「テクノロジー×未来」というテーマでテクノロジーが可能にする未来について語られました。
未来都市
高須さんの現在の拠点であるシンガポールにおけるテクノロジーの話やTeam Lab Make部、ニコニコ学会で日々感じられているデジタル時代のモノづくりのあり方について、とても興味深いお話が聴けました。

登壇者ゼロ!?

前回はゲスト家入一真さんが「お客さん誰一人来ませんでした」というネタツイートをし(本当は来ていた)、「無観客イベント」としてバズっていましたが、今回はなんと登壇者ゼロ!

というのも、今回のゲスト高須和正さんはシンガポールよりSkype中継で参加、そしてナカノヒトヨさんは”ロボット”(という設定)なので、登壇者ゼロ・・・ということなのです。

とはいえ、トークイベントにシンガポールからSkypeで参加するというのもテクノロジーが可能にしたことだと思いますし、登壇者もお客さんもリアルの場に現れずにトークイベントが行われる未来ももうそこまで来ているかもしれません。

ちなみに高須さんは脳波ネコミミを装着して登場。脳波ネコミミとは、脳波センサーによってテンションが上がったタイミングにネコミミが動く、「人の気持ちを可視化」した画期的なおもちゃです。

脳波センサーという高度な技術を用いて、全然世間に役立たないものをつくるって素敵ですよね。笑

国境を超えるMake

まず、高須さんの自己紹介の中で使われた”Make”(≒モノづくり)という言葉。そして、ニコニコ学会βを例に紹介された集合知という概念。クラウドテクノロジーによって、国境を超えてそれぞれの知識やスキルを生かしたMakeが可能になったと高須さんは話します。

例えば、これまでの世界では面白いアイデアを生み出しても、それを何らかの形にするのには技術や知識、経験など様々な高いハードルがあったでしょう。

しかし、インターネットやSNSが世の中に浸透した現代では、自分のアイデアは意図せずとも他人の目に入り、それはときに知らない誰かによってドライブされ、それはときにセレンディピティ的な進展を見せることもあるのです。

つまり、アイデアが一人歩きし、多くの人の手を経て形になる、新たな何かを生み出すというケースも起こり得るのです。
DIY(Do It Yourself)との対比で紹介されたDIT(Do It Togather)という概念も新鮮に感じました。

実際に高須さんが台湾で使用した中国語の資料もGoogle Docsで共有することで、中国語に精通した人が翻訳してくれたのだとか。そして、注目すべきは高須さんがその翻訳をしてくれた協力者に翻訳を頼んでいる間会わなかったという事実。

これがインターネット時代の学会活動、モノづくり活動なのかと驚かされました。

未来国家シンガポールにおけるテクノロジー

テクノロジー先進国、ときには”未来国家”と言われるシンガポールを拠点に高須さんは活動されています。今回のトークではシンガポールの魅力についても大いに語られました。

このシンガポールという国は歴史背景上、外国人に来てもらうための制度、綺麗な政府、そして資本投下したくなるような環境づくりがなされているといいます。

例えば車。
シンガポールにはERP(Electronic Road Pricing) というシステムが導入されています。ETCのような機能が車に搭載されており、それと道路上に設置されたゲートが通信し、車線ごとに異なる料金を請求するというものです。

設定された条件に応じて、ある車線の料金が高くなり、急いでいる人は少し高い料金を払うことで渋滞を回避できる。ニーズに合わせて、料金システムをオペレーションすることで渋滞を分散することができる。

またそれによって政府は税金が潤う、という素敵なサイクルが整備されているというお話がとても興味深かったです。

このような細かい調整やデータに基づいた操作は人間にはできません。テクノロジーによって社会を変えたケースと言えるでしょう。またテクノロジーだとABテストや運用効率化も積極的に行うことができるという魅力もあり、普段日本で生活している日本人の僕から見れば、まさに”未来国家”のお話でした。

シンガポールの話は、こちらでも紹介されています。
ギークが大臣になる国シンガポールの「街ごとデジタル化」政策がスゴい【連載:高須正和】

社会システムとテクノロジー

高須さんが感じているシンガポールの特徴として、シンガポールはテクノロジーによって社会システムを作ること、進化に積極的だというお話がありました。

そして、そういったシステムづくり自体は簡単だが、政治家レベルの国のルールを作る人がテクノロジーに対して明るくなければ街全体の仕組みは変えられないと。シンガポールでは政治家が実際に制作活動を行ったり、Maker Faireのようなテック系イベントでエンジニアとガチンコの議論を交わすことも珍しくないんだとか。

この言葉を聞いたときに、日本とシンガポールの決定的な差はそこにあると感じました。

僕自身、日本が国全体としてテクノロジーに対して苦手意識を持っているような空気を肌で感じていましたし、シンガポールの国づくりの話は今までのモヤモヤが腑に落ちたような世界基準のお話でした。高須さんも仰っていましたが、エンジニア出身の政治家が現れたとき、日本でも何かが変わるのかもしれませんね。

下記の記事では、テクノロジーに”興味がある”という領域を大きく超えて、デジタルに関与するとあるシンガポールの大臣が紹介されています。彼の人生や考え方はとても興味深い内容でした。
Apple創業者ともガチで語れる“ギーク大臣”が明かす、「技術で国家の未来を作る3つの指針」とは【連載:高須正和】

これからのテクノロジーとの付き合い方

「これからはエンジニアはもちろん、非エンジニアのリテラシーが重要になってくる、コンピュータに指示を下す人は、コンピュータにできることとできないことを理解している必要がある。」と高須さんは言います。

スキルの問題ではなく、実際にプログラミングはできないにしても、エンジニア脳がないとCPUをコントロールできないという話はWebディレクターの僕としてはとても共感する部分がありました。

来場者に対する高須さんからの最後のアドバイスは「何か作りましょう。笑」というMakerらしい一言でした。

そして僕らのような非エンジニアはMakers Faireのようなイベントに積極的に参加して、テクノロジーの最先端を知ること、リテラシーを高めることこそが、テクノロジーによって未来を創る第一歩なのではないかと、とてもワクワクしました。

最後に

今回のトークセッションを通して感じたことは「つくること」の大切さでした。高須さんの言葉を借りると「質と量をつぎ込み続けること」。

実際に作ってみる。クオリティが低くても、下手でもいいから作ってみること。失敗すること。また作ってみること。それが未来に繋がるんだと感じました。

そしてもう一つ「テクノロジーを愛する」ということ。高須さんが終盤でちらっと仰っていたのですが「人間vsコンピュータという概念は日本特有」のものらしいですね。言われてみればそうかもしれません。

※イベント後にTwitterで僕が投げかけた「テクノロジーと日本の相性」という旨の質問に対して、高須さんはとても的確で興味深い回答をくださいました↓

ナカノヒトヨさんからTeam Labの「カタリスト」という職種の例えが出ましたが、今後はテクノロジー産業の需要増大、エンジニアの増加に伴って、高度なテクノロジーを分かりやすい言葉に翻訳するスキルや職能も求められるのではないかと感じました。

そのためにも制作、テクノロジーの知識を深めることは絶対的に必要になると、ミッションによる焦りとワクワクが入り混じったような高揚感を覚えたました。

他にもシンガポールのMaker Faireの話や脳波ネコミミの話、プロトタイピングの重要性、そしてサザエさんbotの狙い、経緯などなどたくさん面白い話が聴けました。Prophet自体のテーマや各回のゲストも魅力的な方々ばかりなので、僕もまた「未来を覗きに」来ようと思います。

「テクノロジー×未来」素敵な時間でした。

未だにモバスぺを使い続けるキュウソネコカミは勝ち組?負け組?

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キュウソネコカミHP http://02.mbsp.jp/kyuuso/

キュウソネコカミHP http://02.mbsp.jp/kyuuso/

普通に考えたら当然負け組ですよ。笑

若者を中心に大ブレーク中の彼らですが、何年前からか知りませんが彼らのホームページはずっとモバスぺで運用されています。
そうです。ガラケーベースのモバスぺです。(http://m-space.jp/)
メジャーデビューしたのにリニューアルするどころか、ずっとモバスぺです。スマホ全盛期のこのご時世にガラケー時代に作られたプラットフォームを利用し続けるメリットがない。普通なら。

でもみなさんお気づきの通りこれは”確信犯”です。
さすがに僕も引き続きモバスぺやキュウソをディスってブログを締めるわけにはいきません。笑

ここからはアーティストにとってのオウンドメディアの役割とキュウソネコカミが如何に”窮鼠猫を噛”んでいるか、彼らの姿勢を見ていきます。

現代のオウンドメディア事情

そもそも論ですが前述したとおり、”普通なら”いまどきモバスぺなんて使いません。売れないアマチュアバンドマンでもウェブサイトビルダーのwixやSNSのTumblr、少し手間をかけてwordpressでウェブサイトを持つ時代です。ユーザビリティは悪いし、アクセスログもまともに解析できないし…。モバスぺがスマホ時代にそぐわない環境であることは明らかです。

オウンドメディアの役割とは

キュウソのホームページがオウンドメディアの制作クオリティとして、あまりに褒められたものではないことは前述した通りですが、果たしてお金をかけて制作された”ちゃんとした”他のアーティストのオウンドメディアは機能しているのでしょうか。

多くの場合答えはNOです。
オウンドメディアとしての役割を果たしているアーティストのホームページはそう多くは見受けられません。
オウンドメディアの役割は「情報発信」と「ファンとの関係構築」であると言えます。多くのアーティストの場合、ホームページにはリリース情報やライブ情報が掲載されており、それがユーザがホームページを訪れる主な要因となっています。すなわち、「情報発信」という機能は多くのアーティストのホームページが全うしていると。

それでは果たして後者「ファンとの関係構築」はどうでしょう。

実はこの「ファンとの関係構築」こそがアーティストのオウンドメディアに欠けている大きな要素なのです。

狙いは一貫した”ブランディング”

キュウソが不便を被ってでもモバスぺを使う理由は”ブランディング”この一言に尽きるでしょう。

ブランディングは簡単に言ってしまえば”印象付け”ですね。Wikipedia先生によると「ブランディング(英: branding)とは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略のひとつ。」らしいです。

つまりオウンドメディアはファンに対してアーティストのイメージや個性をポジティブに認識してもらうためのプラットフォームでなければいけません。そのためにはオウンドメディアのそのものはアーティストのイメージと近いものでなければ意味がないのです。単純に言ってしまえば、可愛いアーティストなら可愛いホームページ、かっこいいアーティストならかっこいいホームページ、そしてバカっぽいアーティストならバカっぽいホームページこそが効果を発揮するということです。

そして、それはビジュアルだけでなく、UX(ユーザ体験)、コンテンツも含めてアーティストのブランドを軸に設計されるべきなのです。それを踏まえて、改めてみなさんが好きなアーティストのホームページを見てみましょう。なんとなく色合いはそのバンドっぽいけど、それまで。というようなホームページがほとんどではないでしょうか。

話をキュウソに戻します。先に述べたブランディングとオウンドメディアの役割の話を踏まえると、キュウソがモバスぺを使い続けるのは、ファン(顧客)から近い存在(共感、信頼)に感じてもらうための手法の一つということが言えます。あえて時代遅れの環境を使い続け、定期的にバカっぽい(失礼)ワンフレーズを更新することによって、ライブ情報を見にくるファンにキュウソらしさを感じてもらう。TOPページのバカっぽい一言が気になり、今日もホームページを訪れ、ついでにライブ情報も確認する。

この一貫したブランディングを継続的に体験することによってライトファンはコアファンへ態度変容します。これがオウンドメディアの存在意義なのです。

最後に

最後に…実はキュウソネコカミがメジャーデビューを果たしたビクターエンターテイメントのホームページの中にアーティストページがあり、そこに「キュウソネコカミ公式サイト」というWebページが存在します。本当はモバスぺだけじゃないんです…

とはいえ、このサイトは前述した「情報発信」のみを役割として持っている”その他大勢”のアーティストサイトと同じであり、キュウソネコカミのブランドイメージとはあまり関連性の感じられないものだったので、あえて触れませんでした。

モバスぺが正しいとは言いませんが、キュウソネコカミが彼らのモバスぺで展開しているブランディングやファンとの関係構築はオウンドメディアが担うべき、そして他のアーティストが見習うべき大事なエッセンスなのです。

【結論】モバスぺを使い続け、ファンとの関係を築いているキュウソネコカミは勝ち組

※記事内でキュウソネコカミのことを度々バカっぽいと言っていますが決して貶しているわけではなく、これは愛です。

音みくじ~音楽愛とおみくじの文脈~

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音楽業界におけるマーケティングといえば、アーティスト、レーベル、プロダクション、プロモーター等業界の中心にいる組織が、如何に売り上げを上げるか、あるいは売り出したいパッケージやアーティストの認知を上げるかということが目的、ゴールになることが多いように思います。ですが、今回紹介したいのは音楽メディアMUSIUMがKICK OFF VIVAで配布した音楽おみくじ「音みくじ」です。当日はこんな感じで盛り上がってました。
https://twitter.com/mikirodeo/status/554665849617788930

実は僕はMUSIUMの立ち上げ、運営にちょっとだけ絡ませてもらってるので、身内の宣伝するようで少し気が引けるんですが、それでもこの「音みくじ」はマーケティング的な側面でとても秀逸なアイデアだなぁと感心しましたし、まだ数字は見ていませんが成功事例だと思うので、僭越ながら如何に秀逸であったか書かせていただきます。

日本人の伝統的正月アイテム、おみくじの文脈

さっそくですが、核心に触れます。今回の音みくじについては、手相占いでもなく、未来予測でもなく、「おみくじ」であったことが何より重要だったと考えています。
人が物を買ったり、消費したり、手に取ったりする場合、全てに理由があります。それは個人の体験によるものもそうですし、社会的、文化的背景によるものも人の行動を促す理由となります。そして多くの場合、人はその理由を意識していません。深く考えて正当な根拠を羅列せずとも 人がアクションを起こすのにそれらは十分すぎる理由になるのです。それを文脈(context)と表し、マーケティングにおいてはコンテクストマーケティングと呼ばれる領域も存在します。

KICK OFF VIVAは1月12日 (月) に開催されました。新年初ライブだった人も多かったでしょうし、餅つきなんかも催されて新年のお祝いムードが漂う空間でした。「お正月といえば、おみくじ!」これが文脈です。おみくじの起源を知らなくても、神も仏も関与していなくても、正月になればおみくじを引く。日本人のDNAに存在するその「文脈」こそが、今回の音みくじが盛り上がった要因の一つと言えるでしょう。

人気の曲と絡めたメッセージ

個人的な話なんですが、僕は今年の正月に引いたおみくじにあった和歌が僕の現状とマッチしていたように感じたのでちょっくら調べてました。笑 音みくじでは運勢とその運勢をフォローするワンフレーズが書かれています。そのフレーズは来場者が好むようなアーティストの曲のと絡めたメッセージです。最近は特徴的でキャッチーな歌詞を書く人気バンドも多いので、例え凶であってもアーティストからのコミカルなメッセージみたいで嫌悪感はないんですよね。

さらに、自分のことを言われた、つまり「自分ゴト化」されたメッセージが自分が知らない曲であれば、その曲に対しても普段とは違ったアプローチや興味を持てると思います。押し付けることなく自発的な音楽の広がりや音楽愛を誘発する素敵なシステムだと思いますね。

ソーシャルでの拡散までフォローするハッシュタグ

音みくじには#音みくじ #MUSIUMというハッシュタグが記載されていました。現代感満載ですね。笑
このハッシュタグをつけてツイートしてね。ってことなんですけど、何か面白いことがあったらツイートしちゃう現代の中高生には受けますよね。さらに今回の音みくじは凶が多く含まれていたと聞いています。凶って普通のおみくじで考えたら本気で凹むと思うんですけど、友達と遊びに来たライブでのおみくじで凶が出たら「おいしい」んですよね。笑 そういうおいしいネタは中高生のツイート欲求に強く訴えます。

ユーザの特徴や行動パターンを的確に捉えて、それがハマっているマーケティングを見るのは気持ちいいですね。ハッシュタグをつけることでMUSIUM、音みくじのことを知った人も多いと思いますし、ハッシュタグも音みくじの成功要因だと思います。

まとめ

最後になりましたが、この音みくじの目的は音みくじのそれ自体と#MUSIUMを含めたSNS上での拡散によるMUSIUMの認知向上だと推測します。その中で、ライブ会場でのリアルの友達との体験の共有によってユーザを引きつけ、話題にしつつ、ソーシャルにおける拡散にまでユーザのニーズを満たす形で誘導できたことは素敵なクロスチャネルマーケティングと言えるでしょう。

そこまで設計された施策なのかどうかはわかりませんが、音楽メディアの認知向上を目的とした施策でユーザのニーズを自然に満たし、また音楽愛を深めることに貢献している音みくじは多くのマーケターが見習うべきマーケティング施策であると言えるでしょう。

音みくじの盛り上がりはこちらでご確認いただけます→

僕がブログを書く理由

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僕は正直こういう類のことを続けるのが得意ではありません。今まで何度もブログを始めたし、何度も三日坊主を発揮し、何度も黒歴史として消去してきました。正直今回もそうなる可能性はある。でもいい加減書かなきゃと思ってるんです。

理由は大きく3つ。

①文章力をつけるため

初っ端から中学生みたいな理由ですみません。
僕文章書くのがすごく苦手なんですよ。支離滅裂で何度も同じこと書いちゃう。みたいな。ただでさえできないのに、最近はツイッターを頻繁に使っているせいか、短文で如何に面白く伝えるかみたいなことを中心に考えちゃいがちで、論理的に言葉を組み立てることができなくなっているんですよね。別に小説家になりたいわけではないので、最低限の文章校正スキルを身につけたいなぁと思っております。

②思考のアウトプットとして

本を読んだり、経験を積んだり、勉強の方法って色々あると思っているんですが、特に社会人1年目の僕はしっかり学ぶべきことを学ぶこと、身につけることも大事な仕事だったりするわけですよ。でも正直インプットしただけじゃ自分のものになっている気がしない。一旦自分の中に入れて、噛み砕いて、知識を血流のように自分の中を一通りさせてから自分の言葉で吐き出すことによって、より深い理解が得られるんではないかと思っています。そのプロセスを踏むことで思考も整理されますし、インプットが甘いならそこで気づくこともできます。思考整理の場としてのブログ。

③自分を発信するため

最近やっと実感したこと。発信するって大事ですよね。決して厚顔無恥な自己顕示ではなく。自分が何をやっているか、何を考えているか、何をしようとしているのか等々を発信することで、自分にとって有益な何かのきっかけを作ることができるかもしれない。それは人との出会いかもしれないし、新たなアイデアかもしれない。特に好きなことに関していい環境で学ばせていただいている身なので、書くだけ書いて外に刺激を与えられるような文章を書いていきたいと思います。近い興味を持っている人に少しでも貢献できれば幸せですね。

テーマに関して、音楽とデジタルとマーケティングは僕を取り巻く3大要素であって、僕が必死に取り組んでいるものです。
これは言わずもがなかもしれませんが、音楽がなければ今の僕はありません。
音楽に、アーティストに感謝してるし、これからもお世話になるつもりでいます。しかしながらその音楽が、というより音楽業界が芳しくない現状にあり、それを打破しうるマーケティング的思考であり、デジタルの有効活用だと思っています。偶然にも(?)デジタルとマーケティングという領域は僕の本業のど真ん中なので、この辺に関しては少し踏み込んだ話ができるのかなぁと。というかできなきゃまずいですからね。

2014年に社会人としての生活をはじめ、もうすぐ一年が経とうとしています。

音楽に対して、バンドに対して、これからの僕に何ができるのか、試行錯誤しながら綴っていきたいと思います。

拙い言葉を並べますが、お付き合いください。