UX Sketch Vol.8レポート ~目的によるデザインプロセスの違い~

UXsketch_repo_160323a

2月26日に「UX Sketch vol.8 2015年ベストアプリチームから学ぶ!デザインコンセプト設計2」に参加してきました。記憶が鮮明なうちにレポートを書こうと思っていたのですが、年度末を言い訳に約1ヵ月以上遅れてのレポートとなってしまいました。例によって全てのセッションをまとめることはできないのですが、一番印象に残った株式会社エウレカ亀谷長翔さんのお話をまとめつつ、思考の整理をしていきたいなと思います。

亀谷さんはエウレカが展開するカップル向けサービス「Couples」のデザイナー。「Couples」は2015年7月時点で、DL数が250万人を突破したそうな。亀谷さんがお話されたのは、アプリのデザインにおける「深さ」と「順序」について。設計の対象がWebサイトになることが多い自分とは、異なる視点や考え方だと感じることがあったセッションだったので、とても印象深く聴くことができました。以下、簡単に内容と所感をまとめます。

デザインで重要な「深さ」と「順序」

話した人 : 亀谷長翔(エウレカ)
・コンセプト設計は「深さ」と「順序」を考えて取り組むことが重要。
UXの6つの階層
■ 深さについて
・UXは複数の要素で成り立つ階層思考である。
・UXには6つの階層があると捉えている。(ユーザニーズ、ゴール~機能性、使い勝手~情報設計~UI~コンテンツ~ビジュアルデザイン)
■ 順序について
・サービスの成長フェーズごとに注力すべきポイントを明確にして、取り組むことが大事。
・「Couples」の場合は①リリース前、②リリース初期、③リリースしてしばらくしてから、の3つのフェーズで注力してデザインするレイヤーを変える。

フェーズごとの注力ポイントの違い

①リリース前(ユーザニーズ、ゴール~機能、使い勝手)

・まずはユーザニーズの深掘りが重要。
・企画とデザインの連携が不足していたため、直前でデザインを大幅に直すこととなった。
・ペルソナの情報粒度で重要なのは、デザイン作成時に抱いている仮説を検証するだけの情報を持たせること。

②リリース初期(情報設計~UI)

・ユーザの定着を目的とし、ユーザの声を拾う。
→ FAQの内容を精査、UIの改修に繋げる。
・ターゲット層が普段使っているサービスを徹底チェック、UIデザイン、使い心地レベルをこれらのレベルまで揃える。
→ 若年層のユーザは使い慣れているLINEやTwitter,Instagramと比較する。

③リリースしてしばらくしてから (コンテンツ~ビジュアルデザイン)

・定量的な数字を見ながらアジャストしていく。
・コンテンツの精査とブランディングを進めていく時期。
→ チュートリアル = 重要なすべきサービスを強化 = ブランディング
→ コンテンツの整理 = 情報の精査 = ブランディング

まとめ

・複数階層(上図)において、ユーザのニーズを満たしていくことが大事。
・サービスの成長フェーズごとに注力するポイントを絞ってデザインする。
・UXは最初から固めすぎず、サービスを運営しながら向上させていけば良い。

所感

・情報設計がサービスリリース後でいいというのは、アプリ(サービス)とWebサイトの大きな違いだなと感じました。その成果物が何を目的としているか、どういう役割を果たしているかでそこも変わってくるんですよね。例えば、「企業情報の提供」を目的とした大手企業のWebサイトのケースだと、当然ながら情報設計はリリース前にがっつり詰めておかなければならないわけです。ビジュアルデザインやUI改善はリリース後のユーザの反応を見ながら調整、改修していくというのは一緒かもしれません。

・記事の冒頭に掲載している6つの階層の図は、亀谷さんがスライドで見せてくださったものを、ぼくが記事用に作り直したものですが、ジェシー・ジェームス・ギャレット氏の「5段階モデル」とほぼ同じなんですよね。唯一の違いは記事の図でいう「内容(コンテンツ)」(亀谷さんの図ではContent & Terminology)があるという点です。JJG氏がこれを提唱されたのが2000年(間違っていたらすみません)。亀谷さんも恐らく「5段階モデル」はご存じでしょうし、参考にされたのだと思いますが、15年間UXの考え方がほぼ変わっていないのは凄いというか、本当にそうなのかという疑問も生まれました。こういう考えるネタとか、気づきがもらえたのはいい機会でした。

勉強会を終えて

こういう類の勉強会って何かを「教えてもらいに行こう」っていう姿勢で行くと、何も得られないケースが多いですよね。アプリとWebサイトのデザインの考え方の違いもそうですし、「5段階モデル」もそうですが、自分が何か経験して自分なりの考えを持って行くことで、新たな気づきが得られたり、考えをブラッシュアップできたりするんですよね 。勉強会提供側には少し失礼になってしまうかもしれませんが、「考えるためのネタ探し」くらいが自分にとってはちょうどいいのかもしれない。なんてことも考えられた機会でした。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!

公式レポはこちら http://mtl.recruit.co.jp/ux-sketch-vol-8/


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>