オトミセで考える情報設計とLX (リスナー体験) 実践編

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前回の記事「オトミセで考える情報設計とLX (リスナー体験) 問題提起編」では賛否両論様々な反応をいただいて、ありがとうございました。

前回の記事の目的はタイトルにもある通り音楽における情報とリスナーの捉え方に対する”問題提起”であり、これまで意識していなかった皆さんに少しでも関心を持って考えてもらうことだったのでアレはアレで大満足です。興味持たれないのが一番辛いですからね。笑

前回の内容を簡単にまとめておくと…


音楽を伝えるのが難しい時代ですよね!
これまでの手法を見直す必要がありますよね!
そもそも伝え方を”デザイン”することが大事ですよ!
そのためにはまずリスナーを知りましょ!


とざっくりこんな感じでした。

情報を伝えることが難しくなっている現在の情報環境ついては前回結構厳しめに書いたつもりだったのですが、記事公開後の5月20日に発売された、コミュニケーションディレクターさとなおさん「明日のプランニング」の中で比じゃないくらいシビアな現実が書かれていました。気になる方は是非。笑

そして、前回の記事の反響の中で気付いたことがあって・・・
アーティストさんの中にも、マーケティングや広告周りに興味持ってたり、実際に経験ある人も結構いらっしゃるんですよね。

最近売れているあのバンドも元DだとかHだとか聞きますし(音楽に肩書きは関係ないぜッ)、知識や経験を持たれた方が音楽の内側にいらっしゃるのは素敵なことだと思います。

前回の記事を読んで、こんなの当たり前やろ!と感じてくださるアーティストが増えることが、即ちリスナーにとってハッピーな音楽環境だと思うので。

ということで、今回は情報発信の在り方やリスナーとのコミュニケーションといったところにあまり関心がなかった、あるいは興味はあるけどよく分からん!という方々に向けて、素敵なリスナー体験を創出するためのフレームワーク[ペルソナ][カスタマージャーニーマップ]を紹介したいと思います。

リスナーを知るための仮想人格”ペルソナ”

リスナー体験だ!リスナーを知ろう!とか言ってますが、リスナーって誰なんでしょう。

ウェブメディアの世界では、ユーザーって誰だ?という話がよく出ます。
デジタルの世界だとアクセス数だとかコンバージョンだとか数字で簡単に取れちゃうので、ユーザーを数字で語っちゃいがちなんですよね。

でもそれって愛がない

もちろん数字を見ることは悪いことではないのですが、数字を根拠として用いた上で、人間をイメージしましょうと、その人格に最適なユーザ体験を提供しましょう!っていうことを僕らはやっているわけです。

若干話が逸れましたが、リスナーの考え方も同じだと思っています。

ただ、当然ながらライブに来ているあの子とあの子じゃ年齢も性別も家族構成もアーティストを知ったきっかけも趣味趣向も違うわけです。
全ての人に最適なコミュニケーションなんて作れっこない。

じゃあどうするか。

根拠に基づいて、特定の一人をモデルとして仮定し、彼(彼女)に最適なコミュニケーションを生み出すのです。

この特定のモデルユーザーのことを”ペルソナ”と呼びます。そしてペルソナとは実際に存在しない仮想人格です。

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、1人に向けたメッセージは多くの人に響くものであり、逆に全員に届けようとするメッセージは1人に響くことも難しかったりします。

この不思議な共感のメカニズムについてさとなおさん(2回目)は「明日のプランニング」の中でこう仰っています。

たとえばミスチルが「恋って本当に素晴らしいね~」みたいな、誰にでも書けるような歌を歌ってもあなたはせつなくならない。一般的すぎて踏み込みようがないからだ。
逆に踏み込むのは、より個人的な経験を歌った歌だ。
~中略~
共感する歌には必ず「個人」が歌い込まれている。

ペルソナの作り方

コミュニケーションを設計するための仮想人格ペルソナですが、作る際に気をつけるべき重要なポイントがあります。

それは客観性詳細性です。

客観性とは、即ちペルソナは実際のお客さんの状況に近いもの(できればデータに基づいて)が理想であり、自分にとって都合のいい人物像や環境に引っ張られてはいけないということです。

ペルソナ≠ターゲットです。

そして詳細性とは、その言葉の通り、モデルユーザーとして細部の細部まで人物情報を仮定すべきだということです。
氏名、年齢、性別、職業はもちろん、家族構成や趣味、年収、居住地、デジタルリテラシー、好きな食べ物など。履歴書を全部埋めるくらい詳細に。

それだけ詳しく設定するで、その後のプロセスの精度が上がってきます。

ペルソナについての分かりやすいまとめ記事はこちら。
https://ferret-plus.com/307

コミュニケーションという旅を通じた課題発見

今までの話を整理すると

人々の情報環境が激変した今日、情報の伝え方も難しい。そんな時代だからこそ、100人のためのコミュニケーションではなく、1人に向けたコミュニケーションを設計することが有効である。その1人を共有するためにペルソナが必要だ。

という流れでした。

それでは、いざそのペルソナに沿ったコミュニケーション設計をしたいところですが、ペルソナの情報のみでは、その人物に対するコミュニケーションのどこに問題があり、どういう施策が有効なのかはまだ見出せません。

そういったコミュニケーションの課題やボトルネック、それに対するタッチポイントや可能性を探るためのフレームワークの一つが「カスタマージャーニーマップ」です。

直訳すると『顧客の旅の地図』

ずばり、ペルソナが今の音楽と触れ合っていく中で、どういう情報に触れ、どういう体験をして、どういう感情を抱き、どういう行動を起こすのか、という一連の体験プロセスをマップにしてまとめるという手法です。

カスタマージャーニーマップ
引用 : 「カスタマージャーニーを理解・活用する 3スライド+5サイトまとめ」より

これによって解決すべきポイント(ボトルネック)の発見や有効な施策を見出すことができます。

ここで大事なことはリスナー目線での願望とアーティスト目線での意図の両方を用いることです。客観的過ぎても実際の役に立たないものになってしまうし、逆にエゴが過ぎてもリアリティのないものになってしまいます。

詳しい方法に関してはここで書くにはボリュームが盛り沢山で更に1記事書けるくらいあるので、下記のサイトを参考にしてみてください。事例も載っているので、ペルソナやカスタマージャーニーマップの有用性についてはイメージしやすいと思います。

〇 カスタマージャーニーを理解・活用する 3スライド+5サイトまとめ
http://liskul.com/customer-journey-1697

〇 ヒト、モノ、コトを顧客視点で考える 「カスタマージャーニーマップ」
http://www.d2c-smile.com/201312251373

〇 2時間で作るカスタマージャーニーマップ――実例とともに考える新しい「おもてなし」のカタチ
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2013/11/27/16409

前回もひっくるめたまとめ

前回の問題提起を以て、今回は具体的な手法の話をさせていただきました。

なかなか専門性が伴う話で、噛み砕いて説明したつもりでしたが伝わったでしょうか。

本当は実際にカスタマージャーニーマップを作るワークショップとかやれたらいいんですけどね。。。(ご要望があれば動きます。笑)

全てはこの記事の冒頭にも書いたように、情報が氾濫してこれまでの手法じゃ情報も音楽も届かなくなってきた。しっかり相手に音楽を届けるために情報の伝え方を考え直そう!そして素敵なリスナー体験を提供しよう!リスナーを笑顔にしよう!というメッセージに基づいたものです。

今回はVIVA LA ROCKのオトミセをきっかけに話を始めましたが、言うまでもなく問題は僕らの日常生活の至る所に転がっています。

これからも課題意識を持って取り組むことで、皆さんの音楽がより幸せなリスナー体験を生み出すことを願っています。

全てはリスナーの笑顔のために。

P.S. ちょくちょく書いてますが、実際にディスカッションとかワークショップとかできたらいいですね。Twitterでもメールでもなんでもご連絡お待ちしております。笑


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